国語




中学入試の国語

近年の国語入試問題の記述化傾向は今年度も変わらなかったといってよいでしょう。

首都圏の偏差値50以上の私立中学校70校を調査すると、昨年度と比べて記述問題が増えた学校は29校、減少した学校は22校、変化無しが19校という結果でした。

顕著なのが、偏差値55〜60レベルの学校で記述問題が増加傾向にあり、「記述対策が必要なのは偏差値60以上の学校のみ」というのは、今となっては通用しないことであることがわかります。

文章ジャンル別に見ると、物語文約40%、説明・論説文45%、随筆文10%、韻文(韻文+解説文含む)5%となっています。ここから分かりますように、中学受験対策を行う上で、「物語文」と「説明・論説文」の読解が文章読解のポイントになります。

内容面でも年々高い語彙レベルが求められており、「小学校の教科書レベル」の文章はほとんど出題されなくなってきているのが現状です。大人の読み物がそのまま中学入試問題の題材として用いられるのです。

今年度入試での頻出作家として、重松清、高槻成紀、赤瀬川原平、浅田次郎、あさのあつこ、池田晶子、井上靖、小川祥子、工藤直子、中沢けい、三浦綾子、茂木健一郎、森絵都、森清、吉本ばなな、など新鋭作家のみならず、古典的な文章からの出題もあり、多岐に渡る作品が題材となっています。

高い語彙力、論理性がどの学校でも求められているといえます。
そのためには、日々の学習の中でことばを確実に身につけていく姿勢、ひとつの解答に対してその根拠を追い続ける姿勢が必要でしょう。国語解答力は一朝一夕には養成できるものではありません。日々のこつこつとした学習を継続的に続けていくことが必要です。